「スタッドレスタイヤさえ履いていれば雪道は安心」と思っていませんか?
実はそれだけでは不十分で、冬の高速道路や大雪時にはチェーンが必須となるケースがあります。
この記事では、スタッドレスの性能と限界、チェーンとの使い分け方、そして国の「チェーン規制」について詳しく解説します。
スタッドレスタイヤの強み

まず、スタッドレスが雪道でなぜ頼りになるのかを整理しましょう。
- 低温でも柔らかさを保つゴム :気温が氷点下でもグリップを発揮。
- 細かなサイプ(切り込み):雪をしっかり噛んで制動距離を短縮。
- 圧雪路やシャーベット路面に強い:一般的な冬道で安定感を発揮。
👉 つまり「冬道の基本装備」として欠かせません。
スタッドレスの限界

しかし、スタッドレスにも弱点があります。
- 深雪:タイヤが空転し、前に進めなくなる
- アイスバーン:表面がツルツルの氷ではグリップ不足
- 急坂:登り坂での駆動力不足
- チェーン規制:高速道路や国道の一部区間では「スタッドレスのみ不可」
👉 これらの場面では、スタッドレスだけでは対応できないのです。
チェーンが必要な理由

スタッドレスタイヤがあっても、なぜチェーンが必要になるのでしょうか?主な理由は以下の3つです。
1. チェーン規制
国土交通省が定めた「タイヤチェーン規制」では、スタッドレスを装着していてもチェーン必須です。
高速道路のチェーン規制区間例
高速道路での規制区間は、主要な山間部の峠道や過去に立ち往生が発生した箇所を中心に指定されています。
これらの区間では、急勾配や悪天候時の危険性が特に高いため、厳格な規制が適用されます。
上信越自動車道
- 信濃町IC~新井PA(長野県~新潟県)
- 規制延長:約24.5km
中央自動車道
- 須玉IC~長坂IC(山梨県):約8.7km
- 飯田山本IC~園原IC(長野県):約9.6km
北陸自動車道
- 丸岡IC~加賀IC(石川県~福井県):約17.8km
- 木之本IC~今庄IC(滋賀県~福井県):約44.7km
米子自動車道
- 湯原IC~江府IC(岡山県~鳥取県)
- 規制延長:約33.3km
浜田自動車道
- 大朝IC~旭IC(広島県~島根県)
- 規制延長:約26.6km
規制区間は高速道路や国道の特定区間に指定されており、規制区間や対象道路は追加・変更される場合があるため、出発前に国土交通省や各道路管理者の最新情報を必ずご確認ください。

2. 想定外の大雪
近年は短時間で数十センチ積もる大雪も増加。
スタッドレスの性能を超える積雪では、チェーンの方が有効です。
3. アイスバーン対策
氷の上ではゴムよりも金属や樹脂の「ひっかかり」が有効。
チェーンの強みが発揮されます。
スタッドレスに合うチェーンの種類

スタッドレスに装着するチェーンは大きく3タイプあります。
- 金属チェーン グリップ力最強。アイスバーンや急勾配に強い。
- 非金属チェーン 静かで快適。装着も比較的簡単。
- 布製チェーン(オートソック等) 軽量で装着しやすい。緊急用に便利。
👉 ポイントは、必ずスタッドレスのサイズに合ったチェーンを選ぶことです。
スタッドレス+チェーンの使い分け

- 普段の街乗り・通勤 → スタッドレスだけで十分
- 高速道路・規制区間 → スタッドレス+チェーン必須
- スキー場・山間部の急坂 → チェーンが安心
- 突然の大雪・吹雪 → チェーンで確実に脱出可能
👉 「スタッドレス=基本」「チェーン=保険」 と考えるのがベストです。

よくある質問

Q1. スタッドレスだけでチェーン規制を走れる?
A. いいえ。規制発令時は必ずチェーン装着が必要です。
Q2. 4WD車ならチェーン不要?
A. いいえ。駆動方式に関係なく、規制区間ではチェーン必須です。
Q3. オールシーズンタイヤでもOK?
A. NG。規制時はスタッドレス同様、チェーンが必要です。

まとめ

この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- スタッドレスは冬道の必需品
- ただし「深雪・アイスバーン・規制下」ではチェーン必須
- 「スタッドレス+チェーン」の二段構えが最強の冬対策
出発前にスタッドレスの残り溝をチェックし、必ず適合するチェーンを車に積んでおきましょう。


公式情報・関連リンク