2025年9月1日、ヨコハマタイヤから待望の新製品「アイスガード8(IG80)」が発売されました。
アイスガードシリーズとしては第8世代となる最新モデルで、革新的な新技術「冬テック」を採用した注目のスタッドレスタイヤです。
一方、2021年に発売されたアイスガード7(IG70)は、これまで多くのドライバーに愛用され、高い評価を得てきました。
では、最新のアイスガード8は従来のアイスガード7と比べて何が変わったのでしょうか?
この記事では、両モデルの技術・性能・価格を詳しく比較し、どちらを選ぶべきかを解説します。冬のタイヤ選びの参考にしてください。
基本スペック比較

まずは、両モデルの基本的なスペックを比較してみましょう。
項目 | アイスガード8(IG80) | アイスガード7(IG70) |
---|---|---|
発売時期 | 2025年9月 | 2021年9月 |
世代 | 第8世代 | 第7世代 |
サイズ展開 | 71サイズ | 89サイズ |
サイズ範囲 | 225/45R21~185/70R14 | 155/65R13~245/40R20 |
主要技術 | 冬テック、冬ピタ吸水ゴム | ウルトラ吸水ゴム |
価格 | オープンプライス | オープンプライス |
革新的新技術「冬テック」とは?

アイスガード8最大の特徴は、新開発の「冬テック」技術の採用です。
冬テックの2つのアプローチ
- 接触の密度:氷とゴムの接触点を最大化
- 接触の面積:路面とタイヤの接触面積を最大化
新しい技術により、これまで採用してきた技術では難しかったレベルでの氷上性能の革新を実現しています。
冬の走行で最も危険な凍結路面での安心・安全なドライブをサポートする次世代の冬用タイヤといえるでしょう。
【適合車種:ニッサン ノート(E13系)2020-】 ヨコハマ アイスガード エイト IG80 185/65R15 88 スタッドレス…
コンパウンド技術の進化
スタッドレスタイヤの性能を左右する最も重要な要素の一つが、トレッド部分に使用されるゴムコンパウンドです。
氷上での滑りの原因となる水膜をいかに効率的に除去し、タイヤと路面の接触を最大化するかが、各メーカーの技術力の見せ所となっています。
アイスガード8:冬ピタ吸水ゴム

アイスガード8では、新開発の「冬ピタ吸水ゴム」を採用しています。
主な特徴
- 基盤となる素材を一新
- 従来よりも小型化した天然由来素材「水膜バスター」を高密度に配合
- 氷上での「接触の密度(氷とゴムの接触点)」を従来品のコンパウンドに対し63%増加
- 新素材「オレンジオイルS+」の配合により、約4年後まで氷上摩擦力の低下を抑制
冬ピタ吸水ゴムは、従来の技術をベースに素材レベルから見直しを行い、より効率的な吸水メカニズムを実現しています。
特に「水膜バスター」の小型化と高密度配合により、氷上での接触密度を大幅に向上させている点が革新的です。
アイスガード7:ウルトラ吸水ゴム

アイスガード7では、プレミアム吸水ゴムを進化させた「ウルトラ吸水ゴム」を採用しています。
構成要素
- 新マイクロ吸水バルーン:バルーン形状の空間
- 吸水スーパーゲル:水を瞬時に吸収
- ホワイトポリマーⅡ:シリカを均一に分散
- シリカ:しなやかに氷に密着
- マイクロエッジスティック:エッジ効果を発揮
- オレンジオイルS:ゴムのしなやかさを維持
ウルトラ吸水ゴムは、6つの素材が連携して機能する設計となっており、従来のアイスガード6と比較して吸水率が7%向上しています。
各素材が異なる役割を担い、総合的な氷上性能の向上を実現しているのが特徴です。

性能比較詳細

スタッドレスタイヤの真価は、さまざまな路面状況での実際の走行性能で決まります。
ここでは、両モデルの具体的な性能データを詳しく比較し、それぞれの特徴と優位性を明らかにしていきます。
氷上性能
氷上性能は、スタッドレスタイヤにとって最も重要な指標です。
特に制動性能と旋回性能は、冬道での安全性に直結します。
アイスガード8
- 氷上制動性能:14%向上(従来比)
- 氷上旋回性能:13%向上
アイスガード7
- 氷上制動性能:14%向上(アイスガード6比)
- 氷上旋回性能:7%向上(アイスガード6比)
両モデルとも優れた氷上性能を誇りますが、アイスガード8では特に旋回性能の向上が顕著です。
雪上性能
雪上性能は、雪道での発進・加速・制動に関わる重要な要素です。
特に積雪の多い地域では、この性能の差が運転のしやすさに大きく影響します。
アイスガード8
- 雪上制動性能:4%向上
アイスガード7
- 雪上制動性能:3%向上(アイスガード6比)
雪上性能においても、アイスガード8がわずかながら上回っています。
ドライ・ウェット性能

冬季でも乾燥路面や濡れた路面を走行する機会は多く、これらの路面でのバランスの良い性能も重要な選択ポイントです。
アイスガード8
- ドライ性能:3%向上
- ウェット性能:3%向上
アイスガード7
- ドライ性能:アイスガード6と同等レベル維持
- ウェット性能:アイスガード6と同等レベル維持
アイスガード8では、氷上・雪上性能の向上だけでなく、ドライ・ウェット路面での性能も同時に向上させているのが特徴です。
耐久性・ロングライフ性能
スタッドレスタイヤは一般的に複数シーズン使用するため、長期間にわたって性能を維持できるかどうかが重要な評価ポイントとなります。
経年劣化対策
アイスガード8
- 新素材「オレンジオイルS+」により、約4年後まで氷上摩擦力の低下を抑制
- 低温時でも優れたドライ・ウェットグリップを発揮
アイスガード7
- オレンジオイルSにより、新品から4年経過してもゴムのしなやかさをほぼ維持
アイスガード8では、従来のオレンジオイルSからさらに進化した「オレンジオイルS+」を採用することで、経年劣化への対策が強化されています。
サイズ展開の違い
タイヤ選びにおいて、自分の車に適合するサイズが用意されているかどうかは、性能と同じく重要な選択要素です。
両モデルのサイズ展開には明確な違いがあります。
アイスガード8
- 225/45R21 95Q~185/70R14 88Qの全71サイズ
- 比較的新しいサイズ規格を中心とした展開
アイスガード7
- 155/65R13~245/40R20までの全89サイズ
- 軽自動車からミニバン、セダンまで幅広く対応
現時点では、アイスガード7の方がサイズ展開が豊富で、特に軽自動車や小型車のサイズも充実しています。
どちらを選ぶべきか?

多くの方が迷うポイントでもある「どちらのタイヤを選ぶべきか」について、具体的な判断基準を提示します。
あなたの使用環境や優先順位に合わせて参考にしてください。
アイスガード8がおすすめの人
- 最新技術による最高性能を求める方
- 氷上性能を最重視する方
- ドライ・ウェット性能も同時に重視する方
- 長期使用での性能維持を最重視する方
- 予算に余裕がある方
アイスガード8は、「冬テック」技術により従来では実現できなかったレベルの氷上性能を追求する方に最適です。
特に安全性に妥協したくない方や、最新技術の恩恵を受けたい方におすすめします。
アイスガード7がおすすめの人
- コストパフォーマンスを重視する方
- 実績のある技術で十分な性能を求める方
- 豊富なサイズ選択肢が必要な方
- 在庫が豊富で入手しやすさを重視する方
- 軽自動車や小型車に乗っている方
アイスガード7は、4年間の実績と信頼性を重視する方に適しています。
性能面でも十分に高いレベルにあり、幅広い車種に対応できる点も大きな魅力です。
実際の選択ポイント

理論的な比較だけでなく、実際の使用シーンを想定した選択ポイントをご紹介します。
車種・使用環境で選ぶ
アイスガード8を選ぶべきケース
- 高性能車やプレミアムカーを所有
- 山間部や豪雪地域での使用が多い
- 長距離ドライブが多い
- 最新技術への関心が高い
高性能車や重量のある車両では、より高いグリップ力が必要となるため、最新技術を搭載したアイスガード8の性能優位性がより発揮されます。
アイスガード7を選ぶべきケース
- 軽自動車や小型車を所有
- 都市部中心の使用
- コストを抑えたい
- 実績重視で選びたい
軽自動車や小型車では、アイスガード7でも十分な性能を発揮でき、コストメリットを享受できます。
また、都市部での使用が中心の場合、極端な路面状況に遭遇する機会も少ないため、実績のあるアイスガード7が合理的な選択となります。
予算で選ぶ
現時点では両モデルともオープンプライスですが、一般的に新製品のアイスガード8の方が高価格になる可能性があります。
予算を重視する場合は、アイスガード7も十分に高性能なため、コストパフォーマンスの観点から検討する価値があります。

まとめ

アイスガード8(IG80)は、革新的な「冬テック」技術により、氷上性能をさらに高め、同時にドライ・ウェット性能も向上させた次世代スタッドレスタイヤです。
特に氷上旋回性能の13%向上は注目すべきポイントです。
一方、アイスガード7(IG70)は、4年間の実績により信頼性が確立されており、豊富なサイズ展開と優れたコストパフォーマンスが魅力です。
最終的な選択指針
- 最新技術と最高性能を求めるなら → アイスガード8
- 実績とコストパフォーマンスを重視するなら → アイスガード7
どちらを選んでも、ヨコハマタイヤの高い技術力により、安全で快適な冬のドライブを実現できるでしょう。
ご自身の車種、使用環境、予算を総合的に考慮して、最適な選択をしてください。
冬の安全運転は、適切なスタッドレスタイヤ選びから始まります。この比較記事が、皆様のタイヤ選びの参考になれば幸いです。
